この記事からは一つずつ英文パターンの学習に入っていきます。
英語はどんなに複雑に見える英文であったとしても、もとを辿れば必ず上記のいずれかの英文パターンに属しています。
そして、それぞれのパターンによって相手に伝わるニュアンスが変わってくるのが特徴です。
まずこの5つパターンを理解しておくことで英文を正確に訳すことができるだけでなく、無駄な学習時間を減らすことにも繋がるでしょう。
今回はそのパターンの中の一番初めのものです。
以前の内容の復習的な部分もありますので、思い出しながら読み進めてみてくだいさい。
★ポイント:英文パターン1をマスターしよう!
まずは最初の「英文パターン1」から説明していきますが、このページでは多く分けて2つのことを説明していきます。
- 「前置詞+名詞」は文の主要な要素(主語(S)または目的語(O))にはなれない。
- 「英文パターン1」と「英文パターン3」を比較して違いを理解する
1つ目は少し新しい内容で、もう1つは復習的な内容です。
ちなみに②に関しては、
「英文パターン1」=「自動詞でできた文」
「英文パターン3」=「他動詞でできた文」
でしたね。
今はピンと来なくても、読み進めていくにつれてこの2つのことがしっかりと理解できるようになると思いますので、今回のページで「英文パターン1」の基礎を習得するという気持ちで取り組んでみましょう。
「前置詞+名詞」は「追加情報(M)」となる!
次の例文を見てみましょう。
I work at a coffee shop.
(私はコーヒー店で働いています)
→「前置詞(at) + 名詞(a coffee shop)」
He ran to the park.
(彼は公園まで走りました。)
→「前置詞(to) + 名詞(park)」
※ ran は 「run=走る」の過去形
どちらの文も「英文パターン1」に「前置詞+名詞」が付いた文となっていますが、
基本的な考えとして、この「前置詞+名詞」は追加情報(M)。
これはつまり、英文パターンを構成する主要な要素にはならないことを意味します。
「主語(S)、述語(V)」という2つの要素できている「英文パターン1」は、このように追加情報(M)が伴っていることがほとんどです。
でも追加情報(M)を見抜ければ、その構造はとてもシンプル。
その第一ステップが「前置詞+名詞」を追加情報(M)として認識することです。
「前置詞+名詞」については、他のページに詳しくまとめますので、ここではあまり神経質にならず、まずは「前置詞+名詞」を見た時に「かっこ( )」で囲み、追加情報(M)であることを意識してみましょう。
それではここからもう一つの内容である、「英文パターン1」と「英文パターン3」を比較して理解する、ということを説明していきます。
「英文パターン1」と「英文パターン3」を比較して違いを理解する!
ではまず、先程出てきた英文パターン1の文を例にとって見てみましょう。
He ran to the park.
(彼は公園まで走りました。)
He ran. という主語(S)、述語(V)に(to the park)という追加情報(M)が付いた文でしたね。
そして、「英文パターン1」のもう一つの特徴と言えば「自動詞」でできているということでした。
そこで、この「英文パターン1」については、今後のパターンとしっかり区別出来るよう以下のことを意識してみてください。
僕は2つ目の自動詞と他動詞の違いについて、高校生の時に、
- 自動詞は目的語が必要ない=自分1人の力で生きていける、という意味で「自」動詞。
- 他動詞は目的語が必ず必要=他の力を必要とする、という意味で「他」動詞。
という教わり方をしました。
分かりやすければこの覚え方もいいのではないかと思います。
ただ正確には、同じ単語でも「自動詞」と「他動詞」どちらの使われ方もできる単語が存在するため注目が必要です。
その一例を紹介しておきましょう。
( ) の部分を外してやると He ran. という、主語(S)述語(V)で完全文となるパターンが現る。
このように、「run」が「自動詞」として使われているのが「パターン1」でしたよね。
一方で、
こちらの文は「run」の横にすぐ「restaurant」があるということが目印となって、
「run」は「レストラン」に影響を与える「他動詞」として使われていると考えなければいけません。
つまり「走る(=自動詞)」ではなく、「〜を走らせる(=他動詞)」なのです!!!
このイメージから「run」の他動詞の意味は「〜を経営する」となったというのは以前にも説明した通りです。
終わりに(練習問題)
ここまでが、このページで説明したかった内容なのですが、
今回は最後にちょっとした練習問題を用意しています。
僕の感覚では、「英文パターン1」の感覚を掴むには、同じ単語がそれぞれ「自動詞」として使われている文と「他動詞」として使われている文を比較するのが理解を深める一番の近道。
そこで実際に、同じ単語が「自動詞」として使われた時の文と、
「他動詞」として使われた文を比べて、その訳とどの「英文パターン」なのかを考えてみましょう。
◎動詞は「自動詞」「他動詞」どっち?
1- A. The cat hides under the table.
1- B. I was hiding a present from my girlfriend.
2- A. My sister walks our dog around the park every night.
2- B. He walks to the school everyday.
それぞれ、
回答 ー ◎動詞は「自動詞」「他動詞」どっち?
1- A. =「自動詞」→ パターン1
1- B. =「他動詞」→ パターン3
2- A. =「他動詞」→ パターン3
2- B. =「自動詞」→ パターン1
になりましたか。
1- A. は「その猫は机の下にかくれます。」という文。
主語である「the cat(=その猫)」 の動作で完結しています。
ちなみに(under the table)は「前置詞+名詞」の追加情報(M)ですね。
この文では「机の下」という場所の情報となっています。
1- B. は「私はプレゼントを彼女から隠していた。」という文です。
「hide = 隠す」という動作がプレゼントに影響を与えている(=プレゼントを隠す)となっていることを確認してみてください。
そして「前置詞+名詞」の「from my girlfriend」が誰から隠していたのかという追加情報(M)です。
2-A,B についても同様の考え方です。
A は「私の姉は毎晩公園の周りで私達の犬を歩かせる(=散歩させる)」という文。
姉が「歩くのではなく」、「~を歩かせる」。その対象が 「私たちの犬(our dog)」 という訳ですね。
B は「彼自身が学校に歩いていく」ことを意味する英文ですよね。
A.、B.ともに「前置詞+名詞」ももう大丈夫でしょうか。
◎「自動詞=パターン1」「他動詞=パターン3」の例文
1- A. The cat hides under the table.
(自動詞:その猫は机の下にかくれます。)
1- B. I was hiding a present from my girlfriend.
(他動詞:私はプレゼントを彼女から隠していた。)
2- A. My sister walks our dog around the park every night.
(他動詞:私の姉は毎晩公園の周りで私達の犬を散歩させる。)
2- B. He walks to the school everyday.
(自動詞:彼は毎日学校に歩いていきます。)
今回は、「英文パターン1」を詳しく解説してみました。
- 「前置詞+名詞」は追加情報
- 「英文パターン1」と「英文パターン3」、つまり「自動詞でできた文」と「他動詞でできた文」を比較して覚える
改めてこれが説明したかった内容です。
「英文パターン1」については、まずはこの2つがきっちりできていれば、その基礎はOKと言っていいと思います。
ここまでの内容をきっちりと理解して、次の「英文パターン2」に進んでいきましょう。