「because / as / when / though / if / and」など、英文が長くなれば必ずと言っていいほどよく目にする「接続詞」。単語と単語を繋いだり、文と文を繋いだりすることからも分かるように、その役割は文字通り接続です。
ここでは、接続詞をより簡単に理解するために、まず接続詞を大きく2つの種類に分けて解説していきます。
「接続詞」の一つ目の種類は「and / or / but」の等位接続詞(とういせつぞくし)と呼ばれる接続詞。同等な力関係の英語を結びつけることができ、繋がれる英語の長さで合ったり繋がれる要素(品詞)が同じなのが特徴です。
そしてもう一つの接続詞の種類は、従属接続詞(じゅうぞくせつぞくし)とよばれる「and / or / but」以外の接続詞。その役割は2つの英文(完全文)を接続するというもの。よく目にする「because / if / when」をイメージすればよいでしょう。
同等な力関係の英語を結びつける等位接続詞
まず、接続詞の中でも等位接続詞と呼ばれる「and / or / but」は、繋がれる英語の長さで合ったり要素が同等なのが特徴です。「要素が同等」というのは、同じ品詞(例えば名詞と名詞)であったり、2つの文であったりすることを意味します。
★等位接続詞 (同じ力関係の英語を結びつける)
[and / or / but]
例を見ていきましょう。
例). I usually workout in the morning and relax in the evening.
(私は普段、朝に運動をして夜はリラックスします。)
このケースでは、
workout in the morning
要素:(動詞+前置詞+時間)
and
relax in the evening
要素:(動詞+前置詞+時間)
[workout in the morning] と [relax in the evening] という同等の関係 (どちらも[動詞+前置詞+時間]の要素で構成されている)にある英語のかたまりが 「and」 で繋がれているのが分かると思います。
せっかくなので、TOEIC®L&R試験の問題集の英文も見ていきます。
和訳を考えながら読んでみるこのがおすすめです。
例). Ms. Chow spent most of her holiday visiting friends in Barbados and the remaining time relaxing at home.
この「and」が繋いでいる英語のカタマリが見抜けるでしょうか。
この英文では、
「spend(〜を費やす)」以降に出てくる「時間+(その時間を)何に費やすのか」という英語が「and」で結ばれています。
つまり構造で言うと、
S(主語) spent
(Ms. Chowは費やします…)
most of her holiday visiting friends in Barbados
何の時間を + 何に + (どこで)
and
the remaining time relaxing at home.
何の時間を + 何に + (どこで)
このように考えられると以下の日本語訳が自然と出てくるはず。
(Chowさんは彼女のほとんどの休日をバルバドスで友人を訪問することに、そして 残りの時間を家でゆっくりすることに費やします。)
これが「and / or / but」といった等位接続詞と呼ばれる接続詞の役割です。
ここまで理解できたら、次は「because / if / when」といった従属接続詞と呼ばれる接続詞になります。
主文と副文をつなぐ従属接続詞
同じ力の英語を結びつけている等位接続詞に対して、次に出てくるのはメインの文とサブ的な文を繋げる従属接続詞という接続詞です。
「because / as / when / though / if 」などがそれにあたります。
大切なのは、従属接続詞は基本的に2つの完全文を繋いでおり、
★従属接続詞が結ぶ2つの英文
- 接続詞が付いている方の文がサブの英文 (ここでは副文と呼びます)
- 接続詞が付いていない方の文がメインの英文 (主文)
ということです。
Because I live in Kyoto, I see many tourists.
接続詞+完全文(副文) , 完全文(主文)
(京都に住んでいるので、旅行客をたくさん見かけます。)
そして接続のされ方は以下の2パターン。
- 【接続詞+完全文, 完全文】(” , ” ←カンマあり)
Because I live in Kyoto, I see many tourists.
(京都に住んでいるので、旅行客をたくさん見かけます。) - 【完全文 接続詞+完全文】(←カンマなし)
I often went on hiking when I was in the U.S. 5 years ago.
(私は5年前、アメリカにいた時によくハイキングに行きました。)
例文のように、①接続詞が文の先頭にくる場合、②真ん中 (2つ目の文の先頭) にくる場合の2パターンとなります。
【TOEIC頻出】従属接続詞の後の主語&be動詞の省略に注意!
ここでTOEIC®L&R試験の文章に頻繁に出てくる文法事項に触れておきます。
接続詞(従属接続詞)には以下のようなルールがあります。
「接続詞+副文, 主文」の副文と主文の主語が同じである場合、 副文の「主語+be動詞」は省略することができる。
実際にこの省略の知識が必要な下記の演習問題を確認しておきましょう。
672. _ _ _ _ _ shopping for a mobile phone, customers usually pay attention to the coolest design and the latest technology. (出典: TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問より)
(A) Until
(B) Because
(C) Then
(D) When
正解: (D) When
上の英文の構造に注目します。
最初に空白がありますが、文意:「携帯を買う__、客はたいてい1番かっこいいデザインと最新の技術に注意を向ける。」意味から【接続詞+完全文, 完全文】(” , ” ←カンマあり)のパターンを予想するべき英文構造です。
しかし、空白に「Because」 や「When」「Until」という接続詞を入れても後ろに主語らしき単語がなく、shopping for〜 と続いていきます。何が起こっているのか。。。
この問題の正解は「When(〜の時)」なのですが、例題の英文では「When (they are) shopping for 〜, customers usually pay attention to 〜. 」というように、「主語とbe動詞」(「customers」 と 「are」)が省略されています。
例). When (customers are) shopping for a mobile phone, customers usually pay attention to the coolest design and the latest technology.
( お客様が 携帯電話を買う際には、お客様はたいてい1番良い見た目のデザインと最新の技術に注意を払います。)
この省略を見抜く大切なポイントは、省略が起きる条件を知っておくことです。
【接続詞+副文, 主文】のパターンであれば、「主語+be動詞」の省略が起こるのは、
副文と主文の主語が同じである場合、または、文脈から明らかに2文の主語が同じだと推測できる場合に限られます。
TOEIC®L&R試験の文章では、例文に出てきた「when」以外にも 「if / while / unless / though / as」などでこの省略の用法が登場するので、頭の片隅に入れておく必要があります。
最後に少し余談ですが、英文読解力の高い人は頭の中で必ず先の英文の形であったり構造を予測しながら英文を読んでいます。
今回の接続詞の用法に関して言えば、英文を読んでいる時に「and / or / but」を見た時はどの英語とどの英語を繋いでいるのかを意識しながら読むし、「because / if / when」といった接続詞を見た際には、瞬間的に頭の中で、「接続詞が来たから後ろには副文の完全文が来て、さらに主文の完全文が続くはずだな!」という具合で、英語が左から右に頭に入ってきます。
そう考えると、接続詞は先の文の構造を予測しながら読み進める手がかりの一つとなる、大切な品詞です。
★この記事で使われている参考書をご紹介★
TOEIC®L&R試験を研究し尽くしたTEX加藤先生による、「Part5」の文法問題に焦点を当てたロングセラーの一冊。1000問以上の問題からなるこの本を一冊丁寧に学習することで、試験で狙われる語彙や文法事項をひと通り理解できます。英文法が理解できるということは、多読傾向にあるTOEIC試験の長文の理解度を上げることにも繋がります。英語力の底上げをして、安定的に得点アップを狙いたい方に特におすすめです。