ここまで英文の基本パターン5つをご紹介してきました。
このパターンが理解できて単語の意味を知っていれば、
基本の英文で訳せないということはほぼないでしょう。
では、なぜ読めない英文が出てくるのか。
一つには英文に色々な追加情報が付いているためにこの基本パターンが見えづらくなっていることが理由です。
この記事では、その最たる例として「前置詞+名詞」を扱っていきます。
英文の追加情報となる「前置詞+名詞」を見抜く!
英文が長くなる要素はいくつかありますが、1番身近なものがこの「前置詞+名詞」でしょう。
「前置詞+名詞」は「前置詞の目的語」と呼ばれたりもしますが重要なことは、以下の2点です。
✔「名詞+前置詞」のポイント
- 前置詞+名詞は文の主語にならない!
- 前置詞+名詞は M (追加情報)となって文に補足情報を与える!
「前置詞+名詞」=「前置詞の目的語」とは何?
前置詞の後ろ来る名詞は「前置詞の目的語」と呼ばれ、その前置詞と組み合わさって文の追加情報(M)となります。
「前置詞の目的語」という用語を覚える必要はないですが、
文の追加情報ということで、主語にはならないということだけは覚えておきましょう。
それでは、簡単な英文を例にとって見ていきます。
「前置詞+名詞」の例文
英文パターン1のページでも紹介しましたが、「前置詞+名詞」は必ずM(追加情報)となります。
英文においてMはあくまでも飾りの存在ですので文を構成する主要な要素にはなりません。
そこでこのMを取り払うと本来の英文パターンが出てきますね。
◎場所を表す「前置詞+名詞」
I work at a coffee shop.
(私はコーヒー店で働いています)
→「前置詞(at) + 名詞(a coffee shop)」
◎場所を表す「前置詞+名詞」
He ran to the park.
(彼は公園まで走りました。)
→「前置詞(to) + 名詞(park)」
※ ran は 「run=走る」の過去形
この例は2つとも「英文パターン1」。
文型で言えば S V で構成されている第1文型ということになります。
以下の例文で「前置詞+名詞」が英文の先頭に来るケースも確認しておきましょう!
◎状況を表す「前置詞+名詞」
With his friend he found the movie theater.
(友達とともに、彼は映画館を見つけました。)
→「前置詞(with) + 名詞(his friend)」
「前置詞+名詞」を取り除くと、
・He found the movie theater.
というパターン3 (SVO) の文が出てきました。
◎時&手段を表す「前置詞+名詞」
After his exams Tom will take a trip by boat.
(試験の後、トムは船で旅をする予定です。)
→「前置詞(after) + 名詞(his exams)」
→「前置詞(by) + 名詞(boat)」
同様にこちらの例文では、
・Tom will take a trip. (SVO)
が1番シンプルな文ですね。
応用例文
◎場所&状態を表す「前置詞+名詞」
At the building site the carpenters with the most experience
were given the most intricate work.
(その建設現場では、もっとも経験のある大工に最も複雑な仕事が与えられた。)
→「前置詞(at) + 名詞(the building site)」
→「前置詞(with) + 名詞(the most experience)」
・分からない場合はパターン4の受け身の形をチェック
少し複雑に見える文ですが、まず「前置詞+名詞」を取り除くと、
・The carpenters were given the most intricate work.
となります。
ここで敏感に反応してもらいたいのが「give」という単語。
「give」はパターン4を作る単語の典型でしたね。
今回は受け身になっていることからその英文の形を、
「主語+be動詞+given(過去分詞)+与えられたもの」
(分からない場合はこちらのページへ。)
と、予測することができたはずです。
例外として覚えておきたい「名詞の同格表現」
時として英文には同格と呼ばれる表現が登場します。
同格は2つの名詞が連続し、
文字通り「同じもの」を補足説明しているのですが、
見かけ上、1つ英文に主語が2つ存在するように見えます。
実際に例を見てみましょう。
◎【同格表現】例文
(意味:とても腕のいい技工士のトムが車を修理している。)
Tom, a really good mechanic, is fixing the car.
(主語 (同格表現) + 動詞+目的語)
A really good mechanic, Tom is fixing the car.
((同格表現) 主語 + 動詞+目的語)
上の2つが同格表現の基本構造となります。
同格表現の一つの特徴は、その同格表現を取り除くと通常の英文(完全文)となることです。
Tom, a really good mechanic, is fixing the car.
→Tom is fixing the car.
「a really good mechanic(とても腕のいい技工士) 」という同格表現は、
あくまで主語の「Tom」を補足説明しているもの。
その補足部分「とても腕のいい技工士」を取り除くとシンプルな英文が出てきます。
文の主語にはなりませんので、横の名詞に意味を付け加える形で訳しましょう。
「,(カンマ)」がない同格表現に注意!
先程出てきたように、同格表現は2つの名詞が連続して出てきた時に起こります。
また、通常であれば名詞と名詞の間に「,(カンマ)」を入っているため見抜きやすいのですが、「カンマ」がなく名詞同士がつながっていることもあるので注意が必要です。
◎【同格表現 (カンマなし) 】例文
My friend Carter knows how to handle this problem.
(私の友達であるカーターはこの問題の対処法を知っています。)
この同格表現はTOEICやTOEFLのような試験でもたまに登場します。覚えておいて損はありませんので、頭の片隅にでもおいておきましょう。
✔注意すべきポイント!
- 2つの名詞が連続する時には同格を疑う!
- カンマが出てきたら同格を疑う!
- 同格表現にはカンマがないケースもある!
まとめ
今回の記事では、
英文が長くなる原因の一つである追加情報の最初の例として、「前置詞+名詞」と「同格表現」を解説しました。
内容をまとめると以下の通りです。
- 1つの完全文に対して、主語と動詞があることを確認する
- 「前置詞+名詞」があれば M(追加情報)と認識する
- 「同格の名詞」があれば M(追加情報)と認識する
- 基本英文パターンを見抜く
1つの完全文に対して、主要な主語と述語(動詞)はそれぞれ一つずつ。
それが見えにくくなっている時は「前置詞+名詞」のような M (追加情報)が付いているためです。
ですので、この追加情報を取り除いてあげると英文のパターンがすっきり見えて、
英文が正確に訳せます。
今回の「前置詞+名詞」や「同格表現」をしっかり見抜いて、基本パターンを見失わないようにしていきましょう。