関係代名詞と聞けば多くの方は、「who / which / that」が主に登場し、前にある名詞 (先行詞と呼ばれます) を説明するもの、という理解だと思います。
実際、関係代名詞が使われている文のほとんどはここまでの理解で十分対応できます。
ただ、TOEIC®L&R試験でも稀に「whose」を関係代名詞で使う英文が出てくる場合がありますので、しっかりと理解しておくことに越したことはありません。
また、「whose」と聞くと少し苦手意識を感じている方がいるもの事実でしょう。そこでこの記事では、関係代名詞「whose」が使われている英文をいくつかご紹介して、その使い方をできる限り分かりやすく丁寧に解説いたします。
関係代名詞のおさらいがしたいという方も含めてぜひ参考にしてみてください。
関係代名詞をサラッとおさらい
まず、非常にシンプルな英文で関係代名詞の使われ方について触れておきます。
ポイントは2つ。
- 関係代名詞の後の文は、前の名詞を説明
- 関係代名詞の後の文は、前の名詞が不足した英文となる
以下の例文で確認していきましょう。
1). This is the man who likes my dog.
(こちらは私の犬のことが好きな男性です。)
2). This is the man who my dog likes.
(こちらは私の犬が好いている男性です。)
上記の2つの例文の構造がしっかり取れて訳せていれば関係代名詞の基本はOKでしょう。
「who / which / that」が関係代名詞として使われている時は、「前に置かれた名詞を後ろから補足説明していきますよ!」の合図。
人のことを説明するなら「who」、モノなら「which」、「that」は先行詞が人でもモノでもいい万能型です。
あとは関係代名詞の後に不足している主語や目的語を入れて意味を取れば英文全体が訳せます。
ここまで理解できていれば、関係代名詞「whose」も基本的に同じ要領で攻略できるはずです。
関係代名詞「whose」の考え方
126. Skyspan Airlines compensated passengers whose flights were canceled due to crew shortage. (出典: TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問より)
※「compensate O」: Oを補填する、Oに補填を与える
(Skyspan Airlinesは、乗組員不足によってフライトがキャンセルになった乗客たちに補填を与えた。)
関係代名詞は前にある名詞 (=先行詞) の情報を補足説明する合図でした。
上の例文で whose の前にあるのは「passengers (乗客)」ですね。ということで、この英文の全体的な構造は、「Skyspan Airlines は乗客たちに補填を与えました。それは◯◯な乗客たちです。」となります。
この後ろから説明していく感覚が英文を読解する際に非常に大切になってきます。あとは、「whose」が示す意味を補足して文後半を訳します。
「whose」が表すものは所有!
whose はそもそも所有を表し、「所有格」として使われる単語です。
例). Whose bag is this?
(これは誰のカバンですか?)
見ての通り、「あなたの〜 (=your…)」「彼女の〜 (=her…)」のように「誰の〜」を表現する時に使われますね。
ということで、「whose」が関係代名詞として使われた際には、whose から後ろの文にこの所有格を付け加えて意味をとってあげる必要があります。どういうことか、、、
126. Skyspan Airlines compensated passengers whose flights were canceled due to crew shortage.
(Skyspan Airlinesは、乗組員不足によってフライトがキャンセルになった乗客たちに補填を与えた。)
こちらの例題に戻って考えると、
whose以降に、所有格 their (=passengers’) を入れて「their flights were canceled due to crew shortage (乗組員不足により彼ら(乗客たち)のフライトがキャンセルになった)」で意味をとる。
Skyspan Airlinesは乗客たちに補填を与えた。
↓どんな乗客たちか…
(whose以降が前の名詞に説明を加える)
(whose以降には所有格「誰の〜」を入れて意味をとる)
↓乗組員不足のためフライトがキャンセルになった乗客
↓全体:「Skyspan Airlinesは乗客たちに補填を与えた。どんな乗客たちかというと、乗組員不足のためフライトがキャンセルになった (乗客たち)」、これでよし!!
こういった思考回路によって関係代名詞「whose」が使われた英文は読み解くことができます。
【大切】先行詞は人でもモノでも所有は「whose」を使うべし!
もう一つだけ、関係代名詞の「whose」には注意が必要な点があります。それは、、、
「先行詞 (=whoseの前の名詞) は人ではなくモノであってもwhoseを使う点に要注意!」であるということ。※実際にこの用法、2022年6月のTOEICでPart5に登場しました。
例文で確認しておきましょう。
例). That’s the house whose kitchen is painted purple.
(出典:Cambridge Dictionary)
(あれがキッチンが紫にペイントされた家です。)
関係代名詞「whose」の用法は今まで通りであることが分かるでしょうか。
まず、「あれが家なんです。」と来て、どんな家かを whose の後ろから説明。
忘れず、 whose に its (=the house’s) を
入れて意味を取りましょう!
すると、「キッチンが紫にペイントされた家」となって、全体で「あれが家なんです。キッチンが紫にペイントされた (家)。」となりますね。
日本語らしく綺麗に訳すと、「あれがキッチンが紫にペイントされた家です。」と訳せますが、頭に入ってくる語順で考えるなら、、、
「あれが家なんです。キッチンが紫にペイントされた家ってことね。」というように、語順通りの自然な読解プロセスで読めると尚良いでしょう。
では、ここまでの解説を簡単にまとめると以下のようになります。
関係代名詞「whose」まとめ
- 関係代名詞は後ろにくる文が前の名詞 (先行詞) を説明する目印
- 関係代名詞の後の文は、前の名詞が不足した英文となる
- whose の後ろの文には「誰の〜」の意味を加えて訳す
- whoseは先行詞が人でもモノでも使われる
今回の関係代名詞「whose」はTOEICで頻発する文法事項ではないかも知れませんが、出てきた時には取りこぼしたくない内容です。
この機会にしっかり記憶に定着させておきましょう。